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贄姫
第1章 壱


「お前が死ぬ時、お前の命を守護者に食わせる。
人の命は、妖にとって猛烈に美味なんだ。
だから、その美味な命と引き換えに、お前を護らせる。
妖には対妖でないと対抗できないし意味がない。
高等な妖をつける儀式になるからな」


「そんな…急すぎて、わけが…」


「今は分からなくてもいい。
そのうち分かってくる。
今必要なのは、理解することではなくて、守護者を早急につけることだ。
そして、もう、この話をした時点で、椿、お前は分かってるはずだ。
感じるだろ?」


言われなくても、椿は分かった。
怪異が押し寄せて来ている感覚。
気温が下がり、寒気がする。
誰かに見られているような感覚。
目をつぶるのが怖い。
小さい時から妖が側につきものだった椿にも
その陰陽師としての素質として、妖を感じ取る第六感は強烈に備わっていた。


「儀式を…早く済ませないとまずいな…」


周の呟きに
母が堪えきれずに嗚咽を漏らし始めた。


悲しみに反応して
さらに怪異の気配が色濃くなる。


「すごい量が押し寄せて来ている」


周がすっくと立ち上がって
椿の震える肩に手を置いた。
椿の温かい手が乗ると、そこから安堵が広がる。


「椿」


「なによ」


「悪い」


え?と答える間も無く、
後ろから急に羽交い締めにされた。


「なっ、なにすんのよ!」


その口も塞がれる。
ジタバタもがくがびくともしない。
それもそのはず、
周の式神が椿を押さえつけていた。


鼻から息を吸い込んだ瞬間
視界が揺らぐ。


しまった、と思った時には
椿は抗議の言葉さえ許されることなく
深い眠りの底へと1人突き落とされた。
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