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忘れられない指
第12章 明かされた素性と心・・
「みんな本当に優秀なんだね」

BARシークレットのカウンターに並んでいる凌空も含めた3人の男達の顔を
まじまじと眺めた。

「そんな連中だとは驚き、なんて思ってるんじゃないの?咲子ちゃん」

マスターは笑いながら私の前にカンパリオレンジを置いた。

「ひどい事言うねぇマスターは。
 オレ達最初っから好印象だったでしょ?」

みんなの前でも遠慮なく私の肩を抱く凌空。
私のほうは恥ずかしくて顔が熱いんだけど・・

どこにどう視線をむければいいのか戸惑いながら私の目がとらえたのは、
孝明の横顔だった。
びっくりするほど・・悲しげで・・

誰とも目を合わせないようにカウンターの上のおしぼりだけをひたすら見つめていて。
どうして?どうしてそんな悲しそうな顔してるの・・?
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