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忘れられない指
第5章 思いもよらぬ・・
今から迎えに行くね・・

孝明からメールがきた。
時計はもうすぐ7時を指そうとしている。
料理はもうタッパに詰めてある。
あとは着替えるだけ。
化粧はしない。
そのほうがくつろげる。
素顔のままでいるほうが、素直に自分の内側をさらけ出せる気がして・・

ケータイが着信を知らせる。
電話の方だ。
孝明、の文字。すかさず電話に出る。

「もしもし、咲子ちゃん?今下についたよ」

「わかった、ちょっと待ってね」

素顔でいいと言っても一応、鏡の中で全体をチェック。
財布やらケータイやらを小さなトートバッグに詰め込み、
料理の入ったバッグと2つ持ってスニーカーをつっかけた。
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