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忘れられない指
第2章 出会い
苗字は知らない。
3人の男たちの名前は、
孝明(たかあき)、史彦(ふみひこ)、凌空(りく)。
私より3歳年上で、大学時代からの仲良し3人組だそうだ。
はじめてBARシークレットに入った時にはいなかった。
それから1ヶ月くらいして、2度目に店に行った時に、顔を合わせた。
後から入ってきた私を、
3人は歓迎と興味を併せ持った目で縛り付け、
恥ずかしくて固まっていた私を、1人の男がおいでおいでをして
その輪の中に入れてくれた。
「マスター、彼女、初めてのコ?」
「いいえ、確か1ヶ月ほど前に一度、ね」
「はい・・今日2度目なんです。もっと早く来たかったんですけど忙しくて・・」
引いてくれた椅子の、左側には2人、右側に1人、と
私を真ん中に挟むようにしてカウンターに座った。
「なに飲む?」
右隣の男が聞いてきた。
私はすかさずカンパリオレンジ、と答えた。
けど視線はマスターにむけていた。
そう、私はこのマスターに会いたくてここに来たのだから。
マスターは覚えていてくれた。
1ヶ月ほど前に一度、と私のことを覚えていてくれた。
正直期待していなかった。
こんな子供みたいなオンナのコのことなんかって。
ますます私はマスターに魅かれた。
この若くてそこそこいいオトコ達を前にしても、
かなりの年上のオジサンにまたまた心魅かれた。