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忘れられない指
第2章 出会い
「マスター、今時ホモだち、なんて言わないよ。
 やっぱ古いよ、オジサンは」

おとなしそうに見えたのに、けっこうな毒を吐いてくれる。
そのギャップに、私の緊張はほぐされて、肩の力が抜けて笑えた。
小さく肩を震わせて笑っている私を見て、3人も笑った。
よかった、ウケてるよ、と。

「どうやら嫌われなかったようだね、じゃあ今度はキミの番。
 自己紹介、どうぞ」

手を差し出し、ふってきたのは史彦。
私は小さく頭を下げてから口を開く。

「橋本咲子です。よろしくお願いします」

「咲子ちゃん・・咲子ちゃんは学生?」

やはり幼く見えるのか。
ちょっとむくれた顔を見せると、違うの?と凌空が首をかしげる。

「違います!一応会社員です!」

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