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忘れられない指
第8章 確かめたい、互いの心・・
またミノムシになろう・・
愛の液をきれいにふき取ってくれる孝明にねだる。
腕を掴んでゆさぶった。
ひとつになって、毛布にくるまる。
彼の首筋に顔をうずめているせいで、表情がみえない。
今、どんな顔で私を抱いているのか・・
しばらく黙ったままだった。
何も言わずに、肌が伝えてくれる温もりだけが、コミュニケーションになっていた。
心地いい・・だけどなにか言ってほしい・・
合図のようにモゾモゾ動くと、一つ息を吐いてから孝明が口を開く。
「凌空のこと・・ちゃんと考えてやって。
オレにとっては凌空は大切な友達・・咲ちゃんもおんなじ・・
大切にするって言ってるヤツに大事にしてもらえばいいんじゃないかな」
孝明の顔を見ようとすると、まるで見られないようにするかのように
私の頭をその胸に抱え込んだ。
ちょっと、寂しかった。
返事をしないでいると、頭を撫でられた。
「凌空は告白したんだろ?自分の気持ちを。それに咲ちゃんが答えるかどうか、でしょ?
オレのことなんか気にする必要はないし、なにかを言ってくるのを待つこともない・・
ただ、これだけは言っておく。
こうして咲ちゃんを抱いた気持ちに・・嘘はない・・
それだけは信じてほしい・・」
孝明は髪をなで続ける。
優しい掌は、諦めの準備を手助けしてくれているようだった。
愛の液をきれいにふき取ってくれる孝明にねだる。
腕を掴んでゆさぶった。
ひとつになって、毛布にくるまる。
彼の首筋に顔をうずめているせいで、表情がみえない。
今、どんな顔で私を抱いているのか・・
しばらく黙ったままだった。
何も言わずに、肌が伝えてくれる温もりだけが、コミュニケーションになっていた。
心地いい・・だけどなにか言ってほしい・・
合図のようにモゾモゾ動くと、一つ息を吐いてから孝明が口を開く。
「凌空のこと・・ちゃんと考えてやって。
オレにとっては凌空は大切な友達・・咲ちゃんもおんなじ・・
大切にするって言ってるヤツに大事にしてもらえばいいんじゃないかな」
孝明の顔を見ようとすると、まるで見られないようにするかのように
私の頭をその胸に抱え込んだ。
ちょっと、寂しかった。
返事をしないでいると、頭を撫でられた。
「凌空は告白したんだろ?自分の気持ちを。それに咲ちゃんが答えるかどうか、でしょ?
オレのことなんか気にする必要はないし、なにかを言ってくるのを待つこともない・・
ただ、これだけは言っておく。
こうして咲ちゃんを抱いた気持ちに・・嘘はない・・
それだけは信じてほしい・・」
孝明は髪をなで続ける。
優しい掌は、諦めの準備を手助けしてくれているようだった。