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Natsukoi
第2章 眠り姫
「じゃ、今から帰りの会、始めっぞ!全員、姿勢!!」
「はいっ!!」
ここは、軍隊かって。
俺は、菜緒の顎を出席表でクイッと持ち上げた。
「菜緒?し・せ・い!」
「はいっ!!」
「~ているので、くれぐれも寄り道すんなよぉ?!もし、見つかったら、最悪…廊下で授業受けてもらおっかな(笑)嫌だろ?」
「はいっ!!」
ん?何が?聞いてなかった(;^_^A
「じゃ、菜緒以外、全員帰ってよ~し!」
ガタガタガタッ…
私も帰るか。親戚の人に電話しないと。
立ち上がって、帰ろうとすると…
ガシッ…
「菜緒は、居残り。」
「え~っ!なんでぇ?」
「お前、自分が何をしたのか、覚えてないのか?」
「授業中に、寝てました。」
「だよな?俺の授業だよな?」
「はい。」
めっちゃ、怒ってる~((T_T))
ガタッ…
椅子に座った。
「菜緒、ちゃんと寝てるのか?」
「…。」
「なんか、悩みでも…」
って、また寝てるし(-""-;)
「面白いから、寝かしとこ(笑)」
俺が、テストの採点をしていると…
ゴチンッ…
「ったぁ!!」
「やっと、目が覚めたか?菜緒。」
「悠翔くん?何でいるの?ここ、学校だよ?」
「はぁっ…。俺は、ここの教師で、菜緒の担任だ!!ったく。」
「ごめんなさい。」
「なんか、悩みでもあんのか?ここ最近、ずっと寝てばっかだし。」
い、言えない。両親揃って家出したなんて、恥ずかしくて言えない!!
「いえ、遅くまで、本読んでただけです。」
「ふぅん。これ、俺の個人アドレスと番号。ありがたいと思え。お前だけだ。」
「悠翔くん?」
「なに?」
「いつも、話の最後に、ゴニョゴニョ言ってるけど、なに?」
「なんでもねぇよ。まぁ、暇な時に、メールとかしてこい。相手してやっから。」
「はい。じゃ、さようなら。」
「気を付けて帰れよ?不審者が出てるらしいから(笑)」
ピタッ…
菜緒は、教室を出ていった。