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Love Emotion
第13章 世界の片隅で聞こえる歓喜の声
*
数日後。
私はスマホと何度もにらめっこしながら、ようやく通話発信のアイコンをタップした。
呼び出し音が五回鳴ったところで相手が出る。
『…はい…』
相手の声は震えていた。
こっちだって震えそうだ。
慶にプロポーズされなかったら、電話なんてもしかしたら一生掛けなかったかもしれない。
でも、大事なことだから伝えなきゃ。
私、大好きな人と結婚するって。
幸せって。
それから、それから…。
「………もしもし、お母さん?千佳です。あのね――――…」
fin.