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第4章 インシデント

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昼食の後、二人で他愛もない話をしながらアパートまでの帰り道を歩いていると、少しずつ気持ちが上向いてきた。
（月曜日までの処方はしてもらったんだし、定期処方に入っていなかった理由は明後日確認すればいい。私が落ち込んでいても仕方がない。起こったことは起こったこと）
医師が処方をし、そこに間違いがあっても、薬剤師や看護師がミスに気付けば問題はない。薬剤師も気付かなくても、看護師が気付けばそこでミスが止められる。だけど最後の砦である看護師が気付かなければ、ミスになる。
看護師にはミスの防護壁がない。
だから確認が大切なのだ。
つまり今回のことは最終確認をしなかった私に落ち度がある。
私は、きゅっと唇を引き結び、同時に心を引き締めた。