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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
それで…ある日ね?

先輩に呼び出されて体育館に行ったんだ。

行きたくなかったけど、

「来てくれたら諦めるから」

って言われて。

ストーカー行為として被害届出してた位だったから、行くしかないなって思っちゃったの。

…あの日行かなかったら、ここまで引きずらなかったし…、あんな事にならなかったのに。

その日、テスト期間最終日でね?

どこの部活もなかったし、先生達も会議があって学校には殆ど誰もいなかった。

帰りに蒼汰とラーメン食べに行く約束してたから…、蒼汰には待って貰ってたんだけど。

体育館に行ったら先輩が、柔道で使うマットの上にいて。

手招きされて近付いていったらマットに押し倒されちゃって…

その先輩柔道部の主将で、全然力敵わなくて、胸揉まれてキスされて制服殆ど脱がされて…もう、入れられるって寸前で、…蒼汰が来てくれた」

切ない表情で微笑む美咲を見て、呆然とする。

「何、それ…。危なかったんだな…」

「うん…。蒼汰と約束してなかったらあたし、どうなってたか」

「…っ、ほんとに…」

ぎゅう、と拳を握ると、爪が手のひらに食い込む。

そこは、矢野に感謝だな…

…ん?ちょっと待て。

「え…?じゃあ、その事件に元彼は関わってないって事か?」

「ううん。事件は、その後に起こったの」

その後…!?

襲われただけでもかなり酷い事なのに、もっと酷い事があったのか…?

「その日の帰り道の事だったの。

ショック大きすぎて、蒼汰とラーメン食べに行く約束断って…

蒼汰、家まで送るって言ってくれたんだけど、1人で帰りたい気分で…

自転車で来てたから、泣きながら自転車小屋向かって歩いてたら、先輩がついて来てたみたいで…突然後ろから腕引っ張られて人気のない草むら連れてかれて、押し倒されてまたキスされちゃったの。

乱暴すぎて、痛くて息出来なくて…ぐったりしたら先輩、あたしの事抱き上げて歩き出して…あぁ、もうダメだ、って思ったの。

…そしたらね?凄い偶然だった。

尚也が来たの。

バイクから降りてこっち来て、

「俺の女に何やってんだ」

って言って、2人で殴り合いになって…

止めようとしたら突き飛ばされて、地面に体打ち付けちゃって。

痛くて怖くて震えてたら…尚也が、先輩の足思いきり蹴って。


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