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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
美咲は元彼との体の関係を毎回断ってたが、それを無視した元彼が威力強い媚薬を買って飲ませて気絶させて、いつも犯してたって…

「学校に行かせて貰えない日もあったし、」

どうして、

「「俺から離れるな」って言われて、尚也の部屋に閉じ込められた時もあった」

気付いてやれなかった?

こんな辛い過去を隠して笑ってくれていた美咲に。

「美咲、辛い事はすぐ忘れるんですよ」

って矢野は言ってたけど、ここまで鮮明に思い出してくれた。

忘れてた筈の過去を思い出させたのは、紛れもなく俺だけど…

こんな辛い過去を抱えて、今まで生きてきたのか?

曇りない笑顔を向けてくれてたのか?

強く、美咲の体を抱き寄せた。

小刻みに震えてる美咲の体。

それなら、どうして…

「何で、寝言でそいつの名前を呼んだ…?」

「…夢に、出てきたの」

小さく唇を噛む美咲。

震える体を優しくさする。

「んっ…ぅ、うぅ…っ」

「美咲…っ」

「ふ…!っん、ぅ…」

「美咲…、ごめん…」

「っ違うの!あのね、尚也が…っ夢の中で、あたしに謝ってくれたの…っ」

「え?」

「「ずっと酷い事して、傷付けてごめん。幸せになってな。俺もこっちで自分見つめ直して、幸せ掴んだから」って…。ありがとう、って言ったら、笑って消えてった。あたし、寝言で何て言ったの…?」

「「尚也、ありがとう」って。その時の…事?」

「そうかもしれない…。あたし、口に出しちゃってたんだ。何だったんだろう、あれ…」

ぐす、と鼻を啜って涙を拭う美咲。

その、尚也って男は…美咲を忘れられなかったが、吹っ切れたって事なんだろうか。

こんな時、美咲はどうしたいんだろう。

正直、美咲の悲しい泣き顔はもう見たくない。

俺以外の男の事でも、泣いてほしくない…

けど、こういう時きっと…

「美咲…泣け」

驚いて俺を見上げた美咲の唇に小さくキスを落とし、頬を流れた涙を指で拭う。

「辛かったな…でもこれからは、俺が守るからな。泣いていいよ、気が済むまで泣け」

優しく美咲の体を抱き寄せ、後頭部を俺の胸に埋めさせると。

小さな肩を震わせ…堰を切ったように、大声で泣き出した。

美咲が泣き止んで落ち着くまでずっと、俺は美咲の頭を撫で続けた。


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