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MY GIRL
第20章 波乱いっぱい入学式
蒼汰が健くんの胸ぐらから手を離し、ため息を吐く。

「…っはー、笑った。あーあ、健…美咲ちゃんに怯えられてんぞ。第一印象最低じゃねぇか」

「えー…こんな可愛い子に怯えられるって悲しいな。でも怯えてる表情も可愛いね?ゾクゾクする」

「っ…」

「気持ち悪ぃな。何なんだよお前」

「…ちょ、翔ちゃん。この男何?さっきからアンビリバボーなんだけど」

「お前の行動がアンビリバボーだわ。こんな所に美咲ちゃん連れてきてどうするつもりだったんだよ」

「どうって…どう、だよね」

妖艶に微笑んであたしを見つめ、ね?と同意を求められて曖昧に微笑む。

…と、蒼汰があたしの前に立ちはだかって。

「こいつに近付くな。視界に入ってくんじゃねぇ」

「酷いなー。君そんな激しい性格だったんだ?…つか、痛い。我慢してたけど、マジで痛い」

そう言うと、翔って人がまた爆笑する。

「…蒼汰、どういう事…?」

「…俺もよく分かんね」

そう言ってため息を吐く蒼汰。

蒼汰今日、ため息ばかり吐いてるな…

「でも美咲、あいつの股間蹴ったのは正しかったぞ。これからも何かされそうになったら遠慮なく蹴ろよ?」

「うん…」

「や、待って。ちょっと待って、美咲ちゃん。俺が悪かった、マジで。俺はただ仲良くしたくて…」

「黙れ変態。美咲に何しやがったか知らねぇが、馴れ馴れしく美咲に話しかけんじゃねぇ、変態」

「ごめんって〜」

「で?健は美咲ちゃんに何したの」

「何したっつか、うーん…」

翔って人があたしの隣に来て健くんに問う。

この人、どうしてあたしの名前知ってるんだろう。

「…美咲。こいつに何されたか、言え」

蒼汰の言葉に顔を上げる。

「された…?うーん…あの、何もされてはないけど…」

「…口止めしたのかてめぇ」

また健くんの胸ぐらを掴む蒼汰を慌てて止める。

「蒼汰、ほんとだよ!何もされてないのっ。ただ怖かったから…、健くんに酷い事しちゃって…。そんな乱暴する蒼汰…嫌」

そう言うと蒼汰は慌てて健くんから手を離して、翔って人はまた爆笑し始めた。

「もう辛いっ…マジ辛い」

爆笑する翔って人を見つめる。

何がそんなに面白いんだろ…

「…美咲。気を付けろよ」

「へ?あ…うん」

「何その中途半端な言葉。マジウケるっ」

「…マジ黙れ、翔」


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