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先生、早く縛って
第9章 偽りのキス
――じゃあ、キスして? このことは誰にも言わないから――
そう言って俺の腕に身を預けた時の彼女の表情は、悪びれもせず……普通の男なら誰もが心惹かれるであろう魅力的な微笑みすら浮かべていた。
……馬鹿なやつだ。
こんなやり方は侮蔑と嫌悪の感情しか生まないというのに。
さらに口づけを深くすると、彼女もさらにその身を預けてくる。
その様子に、俺は頭の芯がまた冷えるのを感じた。
やれやれ……と思いながらも、耳もとに舌を這わすと腕の中の肢体が跳ねる。そして若い女特有の……甘い香りが鼻に抜けた。
けれど俺の興味の対象は、彼女の手の中に握られているスマホの中身だけだ。
「咥えてくれるか?」
そう問うと、彼女は近くの机の上にスマホをコツン……と置いた。