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先生、早く縛って
第10章 それぞれの距離
先生の意地悪な態度にムキになって着いて来ちゃったけど……お友達がいるなら今日は帰るべきだよね。
先生と話がしたかったけど……
「いやいやいや……そうだ! せっかくだしカラオケでも行こうか。飲み屋はキャンセルすればいいだろ? それとも……早く帰らないとまずい?」
家に電話を入れれば8時くらいまでなら大丈夫だけど……
「教え子だぞ……まずいに決まってるだろ。もう帰るところだったんだよな?」
迷う私を見て、先生は何だかめちゃくちゃ焦ってる。
……こんな先生初めて見た。
「俺がもっとお話ししたいんだよ! あのね、今は真面目くさった顔してるけど、桜井せんせーも昔は悪さしてたんだよ? あ、俺は石塚健輔といいます。君は?」
そう言う石塚さんを見て、何も言えなくなってる先生。でも、やっぱりすごく気を許してる感じだ。