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先生、早く縛って
第10章 それぞれの距離
そう思うと、先生の過去と、その素顔を知っているかもしれないその人に私は着いて行きたくて堪らなくなった。
「石塚さん……私、立松結衣です。8時くらいまでなら大丈夫なので……よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、
「そうこなくっちゃ!」
と石塚さんは大喜びで、先生の腕を取るけど振り払われて……なぜか今度は私と腕を組んで歩き始めた。
「ちょっ……」
先生の前で男の人と腕を組むなんて……と焦る私を、笑顔でぐいぐい引っ張る石塚さんを見て先生は呆れ顔……
先生にいつも意地悪を言われてばかりの私は、その先生が困るのを見て、少しうれしいような気持になっていた。
これがこの後、あんな結果を生むとは思いもせずに……