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第16章 つながりたくて

車の中に置いたままのバッグに入った、かわいそうなお泊りセットのことを思い出すと……ちょっとだけ悲しくなってしまう。

先生はどういうつもりで私にエッチなことしてるんだろう。男の人は、好きな人じゃなくてもエッチできちゃうって聞いたことはあるけど……

でも、そんなこと訊けない。

だって……

今、先生は振り返って私に手を差し出してくれる。
手をつないで、いつもより優しく微笑んでくれる。
結衣おいで、って名前を呼んでくれる……

この時間を壊したくない。

私が先生を大好きな気持の半分でも……
ううん。三分の一でもそれ以下でもいい。

好きって思ってくれて、いつかは自分のモノにしようとしてくれるって……それを信じたいから。