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先生、早く縛って
第16章 つながりたくて
「え……あれ、なんですか?」
真っ暗な場所で何かと遭遇して、ちょっとドキっとして先生を見上げると、先生も驚いて息を飲んでいる。
「石塚、か……」
本当だ……それは、石塚さんが吸っている煙草の火のオレンジだった。
近付いていくと、お祭りの屋台の灯りが川のように連なる景色を見下ろせるその場所で、石塚さんが一人で座っている。
そして煙草の火が、持っていた携帯灰皿の中に吸い込まれるようにして消えると、私たちを見てにっこり微笑んだ。
「やっぱり来たか……」
やっぱりって……なんでわざわざ別々に来たんだろう。今から3人で花火を見るのかな。
正直、お泊りのことをますます言いにくくなっちゃうと思ったけど……石塚さんとまた会えたのはうれしかった。
先生もきっとそうだよね。