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第19章 魔の呼び出し

追い掛けていきそうな勢いの神谷くんの腕を掴むと、本当に涙が止まらなくなってしまう……

「うっ……ちょ、ちょっとケンカしただけで……私が悪くて……」

「……やっぱり何か悩んでるよね？　さっきも教室で何か言いかけてたんじゃない？　相談乗るよ？」

里美ちゃんもそう言ってくれるけど……絶対、言えないよね……絶対、言っちゃダメだ。

その時、神谷くんが私の腕を振り払い、逆に私の両腕を掴んで見下ろした。

「やっぱり好きだ！　結衣が好きなんだよ……近くにいて守ってやりたいんだ！」

「か、神谷……えっ……」

突然のことに、里美ちゃんはそう言って目を白黒させてたけど……私はなんだか心が麻痺しているみたいに呆然としていた。

「里美が聞いてたって構わない……俺はずっと結衣が……俺はずっと待ってるから。結衣が俺を見てくれるようになるまで」