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先生、早く縛って
第20章 あなたのために……

静まり返る準備室……

せ、先生……?

私はいつの間にか目を堅くつぶっている自分に気がついて、恐る恐る目を開けた。

すると、私の目に飛び込んできたのは……
見たこともない先生の顔だった。

いつもクールな先生の、呆然とした……まるで時間が止まってしまったかのような表情。

「え……? せんせ……」

どうして……どうして?
「あぁ、そうか……」って、何でもないことのように言うんじゃなかったの?

先生の変わり様がショックで……
私はいてもたってもいられなくなった。

それに、堪えていたはずの涙がなんだか、急に……

「い、今まで、ありがとうございましたっ!」

泣き顔を見られないように、急いで扉の鍵を外す。
早く……早く行かなくちゃ。

開いた扉から飛び出す私。

その時、後ろから先生の呟くような声が聞こえてきた。

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