この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先生、早く縛って
第20章 あなたのために……
「…………凛……」
え……?
嫌だ……なんで?
先生の口から出た、その響き。
それは私の心の、最後の壁を打ち砕いた。
もう、涙が止まらない……
凛……凛……!
先生、どうして……?
どうしてこんな時に他の人の名前を言うの?
そんなに……そんなに大切な人がいるなら、なんで私なんかを……
私は後ろを振り向かず、廊下を逃げるように走った。
遠くへ……もっと遠くへ。
もう、先生なんか知らない……
大好きだけど、知らないっ……!
涙で歪む視界。
さっきまでバラ色だったはずの、私を取り巻く世界が一瞬で色を失くしてしまった……
もう何も見えない、見たくない……