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先生、早く縛って
第20章 あなたのために……
「きゃっ……!」
足がもつれて転んでしまう……上履きも片方脱げて。
冷たい床に這いつくばって、立ち上がることもできない私……
みっともなくて、情けなくて……
上手に上履きを拾うことさえできない。
届かない……
もう届かない、先生。
「結衣、おいで」って差し出してくれたあの手はもう……
「いったぁ……痛……いた……い……う、うぅっ……」
痛いよ……先生……!
転んで打った膝が……胸が、痛い。
息をするのさえ。
こんなに胸って痛くなるの……?
ズキズキとあちこちから悲しい音を立てる私。
さっきまで甘く疼いていた身体の奥の、大切な大切な痛みさえ……今は悲しいだけで。