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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子
どういう想像をしたのか……パンを一つ食い終わった石塚は、なぜか同情するような目で俺を見ている。
「お前にも苦手なことがあったんだなぁ……オススメのAV貸してやるよ。安心しろ、あれを見れば誰でもテクニシャンだ」
「なんだそれ……」
俺はフラれたわけではないし、石塚は何か勘違いをしていると思ったが……面倒だったのでそこで話題を切り上げた。
その時「イッシー!」と突然声が降ってきて、声のした窓を見上げると……下級生の女子たちが石塚を見て手を振っている。
しかし特に用も無いのか、手を振り返す石塚を見て「キャーッ! キャーッ!」と言って騒いでいるだけだ。
石塚の奴……誰にでもいい顔しやがって。
俺はいつもの光景に苦笑した。
しかし、そういうところが石塚の長所であり、石塚が誰かから嫌われたり恨まれたりしたところは見たことがなく……こいつのそんな、俺には無い社交的な面を密かに俺は認めていた。
……本人には口が裂けても言わないが。