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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子

「あ、そう言えば昨日、翠先輩から告白ひゃれたんだって?! 先輩、綺麗らよな~さすがのお前でもグラっと来ちゃったんじゃ……ごふっ……ごふっ!」

……食いながら話すからだろ。

昼飯を食べるために中庭に向かう途中で、いつも通り待ちきれなくなった石塚が、手にしたパンを頬張りながら尋ねる。

こいつとは幼稚園の頃からの付き合いだが、相変わらず食っているか喋っているかだ。
いや、今は食いながら喋っているんだが……

「お前は本当に耳が早いよな……」

ため息交じりに言う俺に、パンで口をいっぱいにした石塚はそれで? それで? と、好奇心丸出しの視線を向けてきた。

「……なんていうか、駄目だったよ」

「あぁ、やっふぁり断ったのか……」

「いや、そういうんじゃなくて……」

「ん? なんらよそれ。キスぐらいした?」

「いや、もっといろいろ……」

「うはっ……それれ?!」

「で、怒らせて……終了。おしまい」

「はぁ?? 怒らせてって……お前……」

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