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先生、早く縛って
第22章 指定席の女
もしかしたら、人妻なのかもしれないな……
余計なことまで考えてしまった自分に、らしくないものを感じながらも、俺は急いでボストンバッグを棚に乗せ、その女性が持っていたバッグもその横に並べて置いてやっていた。
そして、礼を言って席に座る彼女をつい横目で観察してしまう。
細面の顔立ちに、切れ長の瞳。
白いうなじには一つにまとめ上げた髪からのおくれ毛がわずかに散っている。
ふと、目元に光る物が見えたような気がして……
え……泣いているのか?
こんな大人っぽい、控え目ながらも芯の強そうな女性が涙を?
その姿に疼くものを感じて心臓がドキドキと鼓動を早める。
さっきから俺はどうかして……
その瞬間、彼女がいきなりこちらを向いた。