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先生、早く縛って
第24章 愛の才能
俺と蓉子のSMは確かにズレがある……
しかし、愛し合っていることが前提でしている行為だ。
お互いの嗜好を理解し合い、歩み寄れば今まで通り上手くやっていけるのではないだろうか。
せっかく出逢えたその本と別れたくは無かったが……
〝愛奴隷〟は確かに存在した。
いつか絶対手に入れたい……俺だけの〝愛奴隷〟を。
そんな決意をし、俺は本を書棚に戻しその場所を後にした。
蓉子に会って話がしたい……
その想いを強くした俺は、蓉子の家に向かった。
平日に蓉子の部屋に行くのは初めてだ。
仕事で疲れているからと平日は会いたがらない蓉子。
しかし、今のこの気持ちを聞いてもらいたい。
もしかしたら蓉子も〝愛奴隷〟を知っていて、色々な話ができるかもしれない……
それに、先週末は本を探し歩いていたせいで会えていなかった。
スッキリするまで会いたくないと思い、その理由をぼかしたせいで……蓉子は疑心暗鬼になり、また不安定になっていた。
もし俺が信じられないなら……不安があるなら。
早く何とかしてやりたかった。
マンションに着き、俺は逸る気持ちで部屋のインターホンを押した。