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先生、早く縛って
第26章 幼馴染
家庭教師を引き受け、凛に勉強を教え始めてみると……もともと素質があったのだろう。凛の成績は面白いように伸びた。
ほぼ毎日のように俺は凛の部屋に通い、時間が許す限り二人で机に向かった。
凛の父親も可愛い一人娘の頑張りを見て、態度を軟化させ始めているようだった。凛が選んだ学校で凛の好きなように……
凛は、夢に向かっての第一歩を歩み始めたと言えた。
そんな凛を見て、俺も大きな刺激を受けているのは間違いない。
家を継ぐ責任は充分感じている。しかし、自分の可能性を試して何が悪いのだ……
俺の、可能性……やりたいこと。それは俺の中で形を持ち始めていたが、家のこと、将来のことを考えるとその決定には慎重にならざるをえなかった。
そして夏休みに入って最初の土曜日。
目標を達成した凛と二人で、俺は夏祭りにやって来ていた。
石塚は案の定、彼女にフラれ……しかも仕事が休めずに一人悔しがっていたが、ここのところの俺と凛を見て、もしかしたら気を利かせてくれたのかもしれなかった。
あいつにはそういうところがある。
ここ3ヶ月ほどで俺と凛の仲は急接近していた。