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先生、早く縛って
第27章 幼い関係
凛と付き合うことになったあの夏祭りから半年……
この春から俺は化学教師として、電車で一時間ほどの場所にある私立高校で働いている。凛は努力を重ね、実家から通える四年生の公立大学に合格していた。
新人教師という仕事は思った以上に忙しかった。教案作りはもちろんのこと、それに加えて雑務も多いのだ。
受験勉強から解放されて遊びたいばかりの凛とはすれ違いの時間が続いていたが……それでも俺たちは上手くいっていた。
凛は俺だけを見てくれる。そして俺も……
たまのデートで俺の腕に回される凛の腕。甘えた表情で俺の目を見つめる凛に、心の奥から温かい気持ちがこみ上げてくる。
そう、ただ……見つめ合うだけで。
凛とはまだ身体の関係はなかったが、それでも俺は満足していた。
慌てなくても、ゆっくり……ゆっくり築いていけばいい。
俺がこんな考えを持てるようになるとは思っていなかった。身体の結びつきなんてなくても、心から愛し愛されていると感じる。
情が少ないかもしれないなんていう不安ももうない。