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先生、早く縛って
第27章 幼い関係

「住み家ってなんだよ……ほら、もう気が済んだだろ? この花見日和にこんなつまらない場所にいても仕方ないだろう」

散りかけの桜を見に行くために待ち合わせをした後、急に凛にせがまれて「ちょっと見るだけ」という約束で俺たちはここへ立ち寄っていた。時間はまだ正午をまわったばかりだ。

「へぇ~何にも隠すところとか無いみたい」

凛は俺の声など耳に届かない様子で、ベッドの下やカーテンの影などを覗き込んだりしている。

自慢じゃないがこの部屋は確かに殺風景で……変わったものと言えば、着付けにも使える大きな移動式の姿見ぐらいだ。

「はぁ……まったく……そんなところに何を隠すって言うんだよ」

俺がため息をつくと、凛はベッドにポスンと腰を下ろし、足を落ち着きなくブラブラさせている。
何か言いたいことがあるときの凛の癖だ。

そうか……外では言いにくい話でもあるのだろうか?
さすがに勉強のことではないだろうが……もしかすると家のことか。

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