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第27章 幼い関係

しかし、その日はあっけなく訪れた。

「うわ～めちゃくちゃキレイ……っていうか人間の住み家じゃないみたい。あはは。カズくんっぽい」

整理整頓された……というより、整頓されすぎて不要な物が何もない俺の部屋をひと目見て凛が感想を口にする。
自分の部屋に女性を入れるのは初めてだ。

父親と義母はヨーロッパに行っている。

半分は仕事のような旅らしいが……新婚旅行にも行っていない義母にとっては初めての大きな旅行で、しかも今年はちょうど結婚して１０年だ。

そこには父親の義母に対する気遣いのようなものが感じられて……
俺は少し安心すると同時に、父親も年を取ったのだなと思い、少し複雑な気持になった。

念願の教師になった今、あと７年ほどで退職する自分の姿など考えもつかなかったからだ……