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先生、早く縛って
第28章 夢の途中
あのことがあってから約一年……俺は凛のいない日々を生きていた。
毎日がこんなに味気ないものだとは……凛を失ってみて、改めてその存在の大きさに気付き、俺は一歩も前に進めないでいた。
ただがむしゃらに仕事に打ち込む日々。いや、打ち込むというより、逃げ込むに近かったのかもしれない。
とにもかくにも教師二年目となり、担任を任されることになった俺はさらに多忙を極めていた。
仕事があるから今こうしてかろうじて立っていられるのだろう。
そして思い返せば、この教職の道を指し示してくれたのも……凛だった。
そう思うほどに……あの出来事は俺の心を傷付けていた。
いや、俺が凛の心に付けてしまった傷はこの比ではないだろうが……