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先生、早く縛って
第30章 カラダが憶えてる

校門に入る前から、何人かの人が追い抜きざまに「あれっ?」っていう顔をして振り返る。
私ってそんなに長い髪が特徴的だったのかなぁ……
顔も知らない他の学年の人にまで二度見されると、何だかちょっと複雑な気分だった。

さっきから繰り返されるその光景に、里美ちゃんと私は顔を見合わせる。

「里美ちゃん……そんなに変かなぁ……」

思い切って短くしてもらったものの、私は先生に見られるのがちょっと怖くなっていた。
今日は一限目から化学の授業がある……別れてしまっても、私はやっぱり先生にかわいく見られたかった。

「変……じゃないよ? ただ結衣のチャームポイントって言ったらサラサラヘアーとおっぱいだったっていうか……」

そう言って私の胸をツンっと突つく。

「もういいよぅ……里美ちゃんオヤジみたい……」

朝練が忙しい神谷くんがここにいなくて良かったなと思った。
最近の神谷くんはすごく積極的っていうか何ていうか……困ってしまうことも多かったから。

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