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先生、早く縛って
第32章 仕組まれた罠

学校の少し先にあるその店までは多分15分ぐらいで着くと思うけど……私は早足で歩く。

と、その時……コートのポケットの中でスマホがブルブル鳴った。

石塚さんから、電話だ……!

「もしもしっ?! 結衣ちゃん?! 今どこ?!」

「えっと……もうすぐその子と会うところです。学校の近くの居酒屋で……」

「ダメダメダメ!!!!!! そんなところ行かなくていいよ! 俺が一海の車借りたんだよ!」

「え?」

「あの車で今日、ラブホ行ったの俺だから!!」

「えっ? え~~~っ?!」

私は一気に力が抜けた。
石塚さんが先生のあの車に乗ってホテルに行ったところを写真に撮られただけなんだ……だったら何にも困ることない。

もしかしたら、沙也加ちゃんは先生の車を見ただけなんじゃ……先生の車、かわいくて変わってるから。

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