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先生、早く縛って
第33章 歪んだ世界
「ふじかわ」というお店の場所はすぐに分かった。やっぱり、たまり場だって噂で聞いていた場所だ……
大きな国道沿いではあるけれど、つぶれたお店が並んだ場所の一角にあって……まだ7時前だというのに周りに人はあまりいなかった。
もう色が褪せた紫色の看板には電気がついていないけど、中からは灯りとうるさい音楽の音が漏れている……二階には人が住んでいる感じの、小さくて古い居酒屋。
そこのドアに掛かった〝定休日〟という札をドキドキしながら見ていた。
沙也加ちゃんと話をしたら、遅くならないうちにすぐに帰ろう。あんまり遅くなるとお母さんが帰ってきちゃうし、それに……どう考えても怖いよ……
ノックをしても聞こえそうにないので恐る恐るドアを開けると、中には煙草の煙が充満していた。お酒の匂いもすごい……
そして、手前にある6つのテーブル席とその先の一段高くなったお座敷に合わせて10人ぐらいの男の人たちがいるのが分かった。