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先生、早く縛って
第34章 それはただの傷痕

「……今日だって……結衣のこと傷つけた原因って……あんたじゃないのか……?」
神谷の声が小さくなっていく。
結衣を想う気持ちは痛いほどに伝わってきた。
それでも……俺は結衣を手放す訳にはいかなかった。
「それは……すまない……けじめはつけるつもりだ」
その言葉を、どう取ったのだろうか?
神谷は、大きく長いため息を……ひとつついた。
「……また結衣を泣かせたら俺が許しませんから」
神谷が部屋を出て行く。
俺は結衣の手を握りしめたままこれからのことを考えていた。
結衣が目覚めたら自宅に送り届けて、俺も病院に向おう。必要なら警察にも……
そして俺はそれとは関係なくある決心を固めていた。

