この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先生、早く縛って
第35章 大人の階段
「さっきから黙っちゃって……結衣ちゃん、緊張してる?」
隣を見ると、石塚さんのいつもの笑顔。
緊張はしてたけど……
うん! 大丈夫! 頑張って前に進むんだ。
私は笑顔で首を横に振ると、沙也加ちゃんの家のインターホンを押した。
ピンポーン……
「はい……まぁ、まぁ、石塚さん! いつもありがとうね、本当に……」
沙也加ちゃんのお母さんは大歓迎といった感じで私たちを出迎えてくれた。
すぐにお店に帰らないといけないからと、石塚さんが沙也加ちゃんの部屋に直行しようとすると、リビングで一緒にお茶を飲みたかったのに……とお母さんはものすごく残念そうだ。
事件の原因がもとはと言えば沙也加ちゃんにあるということや、それ以上の詳しいことをご両親は知らされていなくて、そのせいで石塚さんが訪れる度に娘の様子がどうだったのかということから愚痴や世間話まで聞かないといけないこともあるって……さすがの石塚さんも苦笑いしていたのを私は思い出していた。