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先生、早く縛って
第36章 本気と勇気
一週間後、私は空港にいた。
石塚さんと婚約者である春菜さん……お兄ちゃんと真琴さん……そしてカップルじゃないけど里美ちゃんと神谷くんが見送りに来てくれている。
私の手にはパリ行きのチケットが握られていた。
「連絡もしないで……大丈夫かな。石塚さんが言うみたいに上手くいくかな……」
さすがにちょっと弱気になってしまう私を見ても、石塚さんはワクワクした気持ちが抑えきれないようだ。
「大丈夫だって! あいつびっくりするぞー! 俺が後でちゃんと電話しといてやるしな!」
石塚さんの考えた〝仲直り大作戦〟とは、先生に知らせずに私がパリに行って……飛行機が到着する頃合いを見計らって、石塚さんが先生に電話をして知らせるというサプライズだった。
どうしても先生に会いに行くと言い張る私に、黙っていたお詫びも兼ねて石塚さんが協力してくれることになったのだ。