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先生、早く縛って
第36章 本気と勇気
ちょっと挙動不審気味にそう言って話を逸らした石塚さんの言葉に……
「私も結衣ちゃんがアルバイトでこんなにお金貯めてたなんて知らなくて。お兄ちゃんと違って本当に偉いね~」
と真琴さんが応え、今度はお兄ちゃんが挙動不審になった。
「し……失敬な!」
実は……
SM雑誌を読んでいることを真琴さんに言わないでくれって、そのためなら何でもするって……何年か前に言っていた、その約束を守ってもらったのだ。
口止め料はパリ行きの航空券に化けていた。
「結衣……気を付けて行って来いよ」
神谷くんが改まった調子で言う。
パリ行きが決まってから、神谷くんは私にこれからは先生とのことを応援するからって言ってくれていた。
「うん……ありがとう。ちょっと心配だけど……」