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先生、早く縛って
第36章 本気と勇気
「いや、俺は大丈夫だと思うよ。それにしてもあいつ、結衣を泣かせたら許さないって言ったのに……なぁ、パリに着いたら俺からだって言って一発パンチしてやってくれよ」
「え……私、パンチなんてしたことないよ……」
困っている私にそう言うと、里美ちゃんは神谷くんの腕に手を回した。
「大丈夫、大丈夫。結衣はハグでもキスでもなんでもしちゃって? 神谷のことは心配しなくてもいいから……ね? 神谷?」
私は頼もしいみんなにこんなに応援してもらって……本当に幸せだ。
もう前に進むのみ。
先生……パリで待っていてくださいね!
私はワクワクとした気持ちで搭乗案内のアナウンスを聞いていた。