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先生、早く縛って
第5章 絡みつく首輪
「結衣~! 真琴さんが葡萄を持ってきてくださったから早く食べなさい。お母さん出掛けないといけないから……」
真琴さんはお兄ちゃんの彼女で、サバサバしてボーイッシュな……だけど綺麗な大人の女性だ。
大学三年生のお兄ちゃんより結構年上の看護師さんなんだけど、細かいことは謎で……っていうかすっかり尻に敷かれているお兄ちゃんにとってそういうことはどうでもいい……って建前上はなってるみたい。
でも私にとっては本当にそんなことはどうでも良くて……優しいのにハッキリ物を言ってくれて、優柔不断なお兄ちゃんなんかよりずっと頼りになる真琴さんのことが、本当のお姉ちゃんみたいに私は大好き。
天然ボケでおっちょこちょいなお兄ちゃんにはもったいないと思っちゃうくらいだ。
「はーい。あれ? 真琴さんは?」
リビングに行くと、テーブルの上には粒の小さな葡萄が一房だけ乗せられたガラスのお皿が置いてあるだけで誰もいなかった。
お母さんはキッチンで食器を洗っている。