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秘蜜に濡れて
第7章 夢から醒めたら
バスタオルを肩に掛け、スウェットと履いて出てきた撥春に思わず息を呑む。

何度見ても、闇の中でも明かりの下でもその鍛えあげられた肢体は無駄のない彫刻のように綺麗だった。

髪からぽたぽたと雫が落ちていた。

「タオルとかは適当に使って」

頷いてバスルームへ向かう。

立ち込めた蒸気、混じるボディソープの香りが撥春を感じさせる。

身体の一番奥がチリチリと疼く。

「も、ばかばか!」

自分自身に突っ込んで頭からシャワーを被った。

隅々まで洗って…疼きは期待となって指先まで浸透していく。

バスルームを出てバスタオルに手を伸ばすと、香水の瓶が幾つか並んでいた。

気にしながらも先にパウダーを叩き、眉だけ描いた。

一番減っていた瓶を手に取ると、まさに撥春の香りだった。

吸い込むと身体中が本物を求めていることに気づいてしまう。

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