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第23章 一雫の秘蜜

「ん、ぁ…」

「明日、早いんだよね」

「じゃ、あ、早く寝ないと…」

「うん、でも、こんなあいり見て手を出さないなんて無理」

「だめ…」

「あいりのだめといやはイイ、でしょ？」

言いながら撥春の手はあいりの肌を弄り始めていた。

熱の持ち始めた身体を擦り合わせて、唇を合わせて唾液を交換すれば、身体は溶けて一つになる。

「あいりは、俺のもの」

指を絡ませて、瞼にキスを落とす。

じんわりと胸に広がる甘い燻りに身を任す。

「わたし、は、撥春の、もの」

切れ切れにそう伝える。

言葉より想いを伝えたいのに。

撥春の目が大きく見開き、くしゃりと破顔する。

「初めて撥春って呼んでくれた」

「！…撥春、大好き」

その首に腕を回して微笑むと、撥春もまた微笑んだ。

重なったこれからを、この手を離さずに歩いていく。



END