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秘蜜に濡れて
第1章 今宵、星が零れたら。
「あいり、ちゃん?」
名前を呼ばれただけなのに心臓が跳ね上がった。
「相馬 あいりです、この度は起用CMに…」
「仕事の話しはヤメて、今日はお腹いっぱい」
精悍な表情が一転、無邪気な笑顔に変わるとあいりの心臓は音が漏れているんじゃないかと思う程高鳴っていた。
邪な気持ちを抱いた事に俯くけれど、どうしてもその瞳に惹かれるように見つめてしまう。
その間も撥春は真っ直ぐあいりを見つめていた。
「あの…何か…?」
「…俺の事見えてる?」
何を聞かれたのか、質問の意味を飲み込めなかった。
答えに戸惑っていると、ふっと笑顔に少し陰が差した。
「これ」
差し出されたイヤリングを受け取ろうとパンプスに足を戻して立ち上がった。
ちりっとした痛みにふらつくと、撥春の腕が支えてくれた。
「あ、ありがとうございます」
受け取ったイヤリングを耳に戻す。
「曲がってる」
長い指があいりの耳に触れると、一緒に甘い香りが鼻腔をくすぐった。
首筋から鎖骨が目の前を覆って、まるで魔法に掛けられている様だった。
名前を呼ばれただけなのに心臓が跳ね上がった。
「相馬 あいりです、この度は起用CMに…」
「仕事の話しはヤメて、今日はお腹いっぱい」
精悍な表情が一転、無邪気な笑顔に変わるとあいりの心臓は音が漏れているんじゃないかと思う程高鳴っていた。
邪な気持ちを抱いた事に俯くけれど、どうしてもその瞳に惹かれるように見つめてしまう。
その間も撥春は真っ直ぐあいりを見つめていた。
「あの…何か…?」
「…俺の事見えてる?」
何を聞かれたのか、質問の意味を飲み込めなかった。
答えに戸惑っていると、ふっと笑顔に少し陰が差した。
「これ」
差し出されたイヤリングを受け取ろうとパンプスに足を戻して立ち上がった。
ちりっとした痛みにふらつくと、撥春の腕が支えてくれた。
「あ、ありがとうございます」
受け取ったイヤリングを耳に戻す。
「曲がってる」
長い指があいりの耳に触れると、一緒に甘い香りが鼻腔をくすぐった。
首筋から鎖骨が目の前を覆って、まるで魔法に掛けられている様だった。