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秘蜜に濡れて
第10章 suger&spice
相変わらず一緒のお風呂を断られた撥春は汗を流して出てくる。

交代であいりはニコルから貰った紙袋とパジャマを手にバスルームへ向かった。

シャワージェルを手に取り、シャワーで洗い流す。

バスタオルで身体を拭うと、紙袋から下着を取り出した。

「なっ…!」

ニコルがくれたからと油断していた。

里美が関わっているのは必至なのに。

キャミソールとショーツのセット。

が、それは一般的な下着とは画を逸していて、ランジェリーと呼ばれるものだった。

深紅の総レースは何をどう隠しているのか。

寧ろ際立たせるだけのそれは装飾品だった。

「え、どういう事…?」

その機能、付加価値にあいりは絶句した。


「水飲む?」

「…ぁ、はい…」

「酔い覚めた?」

今パジャマの下に身につけているランジェリーに目が覚めないわけがない。

里美はあのまま用意していた下着を持って帰ってしまったらしく、何も身につけないよりマシだという理由しか見当たらなかった。

「どうかした?」

「ぃえ…」

なるべく身体を動かさないように、慎重にソファに座る。

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