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カノジョ
第1章 こんなカノジョ
「へっ!?」
間が抜けた声を洩らし、腕を伸ばした儘で固まる影人。
一瞬で、淫靡な雰囲気を吹き飛ばした真希は、ガバッと上体を起こした。
「これよ、これっ!! こんな感じにしていけば……それに…あれをこうすればもっと……いや…こうじゃなくて…もっと…」
「お、おい…?」
「いや…やっぱりこうの方がもっと……そしてこうすれば……ああなるから…こうして…」
「ま、真希…? 真希…さん?」
「あぁっ!! やっぱりこれよねっ! こうしかないわっ!! こういう風にしていけば……キャーッ! 真希って天才かもしれなぁいっ」
「え、えっと………」
「こうしちゃ居られないわっ!
あ、影人…真希…ちょっと用事出来たからじゃぁねっ」
「へ…へぇぇぇっ!?」
呆気に取られた影人を尻目に、首元にキャミソールを丸めた儘、胸をバインバインと弾ませて駆け出していく真希。
一連の慌ただしさに、影人はモノを熱り勃たせて両腕を突き出した儘で身動き一つしなかった。
真希の小さくなっていく姿を見送る影人の前には、イヤらしい染みを付けた小さなショーツが取り残されていたのだった。
「…一体……何が…どうなったんだ………」
影人の呟きは、木々に隠れた男たちの心境を代弁していた。
【完】