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カノジョ
第2章 あんなカノジョ
「今日も宜しくね」
視線を集める自らの煽情的な姿に、熱い吐息を洩らしながら暗い夜道を歩いた杏子。
人気の殆ど無い路地を進んだ先にある古びたビルの木製扉を開けた杏子を、いつもの男の声が出迎えた。
「え、えぇ…」
そんな声も、カラダを火照らせて、端整な顔をほんのりと上気させている杏子は生返事を吐き出して奥へと進む。
…アタシ…教師なのに……こんな事……
古びた扉の前でも、一瞬我に返る杏子。
しかし、普段のストレスからの発散を覚えた本能は、その扉を躊躇いも無く開かせた。
瞬く間に耳に飛び込む喧騒。
歓喜に叫ぶ中年の男や、文句を喚き散らす若い男。
自らの強運に満足げにふんぞり返る男に、杏子以上に必要以上に肌を露わにした若い女が撓垂れ掛かる光景。
…あぁ…
…今日も…また……来ちゃった…
その光景に、今後起きるであろう出来事が脳裏を過ぎり、火照ったカラダの奥がキュンと反応を見せる。
それでも、杏子のタイトミニから伸びたスラリとした脚は留まる事をしなかった。
「おっ、今夜も来たねっ」
「期待してるよっ」
「今夜こそ絶対俺がっ」
杏子の姿を目にした男性陣からの声が、杏子の鼓動を早めさせる。
愛想を振り撒き、時には軽く手を振るサービスを忘れない。
…ホントは…こんな事…ダメ……なのに…
子宮からの疼きが強くなっていく感覚を覚える杏子であった。