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カノジョ
第1章 こんなカノジョ
 
「あ゛ー……」

 小さな口の薄い桜色の唇を開き、見た目に相応しくない声を出して、椅子に背中を預けてだらし無く脚を放り出す。

 キャミソールの細い紐が通った細い肩。

 その薄い生地は、小柄な体躯には不釣り合いな程に撓わに実った胸で持ち上げられていた。

 先端にプックリと乳首の突起を浮かび上がらせ、キュッと括れたウエストも露わになっている。

 股上の短いショートパンツからだらし無く伸びる両脚は、程好い肉付きの太腿にスラリと形の良い美脚。

 可愛いとも綺麗とも言われる顔立ちに、小柄ながらも肉欲を煽る体型は男の視線を集めるには充分だった。

「…なぁんか…違うんだよなぁ………」

 椅子の上で脱力しながら、アニメ声を吐き出す。

 目の前にあるノートパソコンには書きかけの文章。

 煽情的な単語が並ぶ画面に目もくれず、カノジョは依然として脱力した儘だった。
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