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カノジョ
第4章 こんなカノジョ《再》
影人を巻き込んで何とか書き上げた事が実った。
お陰で影人にえっちな小説を書いてる事も、ネタにしてた事もバレた。
大賞の十万円は無理だったけど、入選してた事が素直に嬉しかった。
余りの嬉しさに、窓を開けて叫びたくもなった。
と言うか、裸じゃ無ければしていた。
窓の一歩手前で甦った理性に有難うと言いたい。
さっきからしつこく鳴る携帯。
「…もぅ……何時間も話したってのに………」
最初は賞金で取材料寄越せとか言っていた。
無いと言えば嘘だろうの繰り返し。
サイトまで教えても引き下がらない。
剰【アマツサ】え、だったら真希のポケットマネーで…とまで言い出す始末。
ビンボー学生は、そんな大金じゃ無くても狂っちゃうモンなんだろかと考えさせられる。
そして今も鳴り出す携帯。
十分も間を置かずに鳴り出す携帯に、いい加減嬉しさが掻き消されてきた。
「…もぉ……いい加減…どうにかしないと」
思わず溜息が洩れるのも仕方ないと、誰もが思うに違いない。
一息吐くと、再び鳴り出した携帯を手にした。