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カノジョ
第4章 こんなカノジョ《再》
 
 一定間隔で耳に届く振動音と体に感じる揺れ。

 窓から見える流れる景色も、見ているようで見ていなかった。

 電車の扉の脇で手摺に掴まりながら外を眺めていても、頭の中はあのサイトの事だけ。

 イヤらしい真希の姿の画像。

 そこに付けられたコメントの数々。


…淫乱女…露出症……爆乳スケベ女………
…パイパンモリマン女……


 その後に続いた、『ヤりたい』『犯したい』『輪姦【マワ】したい』と言った言葉。

 男達の欲望が延々と綴られ、それだけの目に晒されていた事を自覚させられた。


…あんな場所だって…分かってたのに…


 盗撮広場。

 噂になっていた場所にも拘わらず、肉欲に負けてえっちなスイッチが入ってしまった。


…取材とか良い事言って…
…ホントは…えっち…したかっただけ…
…前の日もあんなにシたのに…


「…違うモン…」

 否定したくて、思わず言葉が溢れた。

 外で全裸に近い姿で感じた解放感。

 それに、何時もより興奮を覚えていた。

 認めたくなかった。

 認めたくないと思っている一方で、受け入れようとしている本能もあった。

「…違う……違う…モン………」

 頭の中に渦巻く映像を追い払うように軽く頭を振って、否定を繰り返してみる。

 座席に座る男の人の視線も、周りの気配も気付く事は無かった。
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