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カノジョ
第4章 こんなカノジョ《再》
想いに耽りすぎていた。
「…えっ!?」
思わず声が洩れる。
手摺を掴んだ手に力が入る。
真希の声を聞いたのか、脇の座席からの視線を感じる。
平静を装う。
気のせいだと思いたかった。
「…っんっ………」
でも、そんな希望は新たな刺激であっさり砕けた。
ラッシュとまでは行かないまでも、それなりに混んでいた車内。
それでも、他の人と密着する程の混み具合ではなかった。
それなのに、背後に感じる気配は、それに近い程に感じていた。
「…んっ…んんっ………」
明らかに故意だと感じる太腿からの感触。
脇から視線を感じながら声を堪える。
あくまで平静を装う。
イヤらしい声なんて出したくない。
後ろの人物に、感じてるとか思われたくない。
痴漢なんて許せない。
…駅に着いたら…真っ先に叩き出してやるんだからっ…
上目に扉を見詰める。
扉のガラスに反射する車内。
改めて、それなりの混雑だったと思い知る。
そして、真希の背後には二人の男の姿。
サラリーマン風の中年の男と大学生の様な若い男。
…どっち…?……どっちが………
「…んふぅ…っ………」
意識を向ければ、それを太腿からの刺激が邪魔をしてきた。