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第5章 欲望
ふと気づくと、ぐちょぐちょと水音がこちらまで聞こえてくる。
なんだか、すごく厭らしい音だ。
2人の身体がぶつかり合う音も聞こえる。

いつの間にか、さくらさんは四つん這いになっていて、さらに猫のような尻を高く上げた格好になっていた。
(さくらさんが…あんな恥ずかしい格好をしている…)
その姿を目に焼き付けようとジッと見つめる。
くたりとなって畳に突っ伏した顔は僅かにこちら側を向いていて、頬を真っ赤に染めウットリした顔をしている。
滲んだ汗に髪の毛が張り付いていて、行為の激しさを物語っているかのようだ。

しばらくすると、再びさくらさんは仰向けにされ、なんと脚を大きく広げられていた。
そこを副長がジッと見つめている。

(…っ!)

普段絶対に人目には晒されない場所を副長は間近で見ている。 俺の、いや、誰も知らないさくらさんの秘密の場所を見ているのだ。それだけで、山崎は嫉妬で身体が熱くなる。

そして再び副長はズブズブとさくらさんの中へ入っていった。
激しく腰を打ち付ける音とともに

「はっはっはっはっ…!」

副長の激しい息づかいも聞こえてくる。
さくらさんは、小刻みに震えているように見えた。
山崎の手の動きも速度を上げる。

やがて、更に速く腰を打ち付けたかと思うと、さくらさんは全身を大きく仰け反らせ、くたりと動かなくなってしまった。
それと同時に俺も自らの手で熱い欲望を吐き出した。


ーーー…
吐き出した欲望で服がベトベトになってしまった山崎は一旦部屋に帰ってきていた。
(…。)
のろのろと着替えながらも、先程までの光景が思い出されて、ボンヤリしてしまう。
それに、ただたまに話せたり並んで歩けるだけでいいと思っていたさくらさんを、今は抱きたいと思うようになっていた。
(俺の手で、さくらさんを乱してみたい。)
だが、相手は副長だ。
こんな事考えてはいけない。
この想いは打ち消さなければ…

ふーっと息を吐き出し、ぎゅっと目を瞑る。
(これは俺の心の中にだけ留めておけばいい。)

チクリと痛む胸を押さえながら、密かに決心するのだった。
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